けいゆう病院 整形外科 鎌田修博 先生 2016年 3月

《整形外科医としてのはじめと終わり》

61回整形外科の鎌田修博(かまた みちひろ)と申します。東京の下町、荒川区町屋の生まれで、お化け煙突を見ながら、荒川遊園地のプールで遊んで育ちました。

現在はけいゆう病院の整形外科に勤務しています。大学に入るまで横浜については崎陽軒のシュウマイくらいしか知りませんでしたが、浜っこの妻と付き合うようになって、本牧のリンディーや元町の入り口にディスコがあった頃から横浜に頻繁に出没するようになりました。荒井由美の歌もはやっていたので、ドルフィンにも時々行きました。

整形外科医となって最初の出張が済生会神奈川県病院でした。救急医療の中心施設で1年2か月重度の外傷症例をたくさん経験させて頂きました。当時の先輩からは「この病院の1年分の外傷はおそらく先生の今後一生分の外傷に匹敵するよ」と言われましたが、その後7つの病院を回り、35年経ってけいゆう病院に勤務するようになって、まさに実感しています。

けいゆう病院とのかかわりは、永田院長の話に出てくる典型例のように、長女の出産からです。当時のけいゆう病院はまだ山下町にあり、前の道路はみなとみらい線の工事が行われていて、騒音がひどい上に病院の冷房がぼろくてとても暑く、決してお勧めできる病院ではありませんでした。従って二人目は当時新築の済生会神奈川県病院になりました。

この欄にけいゆう病院から登場するのは永田院長に続いて早くも二人目になります。おそらく横浜三四会では実質の会員が一番多いからではないかと思います。けいゆう病院の紹介は永田院長がされていますので、私は整形外科についてご紹介いたします。

整形外科は現在8人の常勤医師と2人の非常勤医師で運営していますが、私の専門が脊椎外科のため一番力を入れているのは脊椎疾患です。脊椎専門医5人(常勤4人と非常勤1人)で担当しています。ご多分に漏れず高齢化社会の実感をもろに受けている分野で、特に最近急速に増えている疾患は脊椎圧迫骨折と成人脊柱変形です。65歳以上の女性で、腰痛を主訴に受診される場合はまず脊椎圧迫骨折である可能性が高いです。骨折なので転倒や尻餅をつくなど外傷歴がありそうなものですが、全く静かに発症していることが多い上に、初期にはMRIがないと診断は確定しません。

一方、骨折がなければ脊柱変形です。昔からこんなに背骨が曲がっている方が多かったのかなと驚いています。手術の方法は私たちが入局時に行っていて、その後すたれてしまった昔の方法が、器械の改良により今になって脚光をあびることになり、国内でも海外でもたくさん行われるようになっています。医学の流れとはこんなものなのかなと実感しています。

他のメンバーは股関節、膝関節の常勤専門医が各1人いて、肩、肘、手は東邦大学大橋病院の教授(慶応出身)が専門外来を月1回引き受けてくれています。リウマチ外来も隔週で行っています。このように全身どこが痛くてもまずけいゆう病院の整形外科では対応可能です。どこかが痛くて困っている患者さんがいましたら、是非一度ご相談下さい。

私も来年は定年になりますが、整形外科医としてのはじめとおわりの病院が横浜の病院であったことは何かの縁なのかなと最近感じています。これからも横浜の医療のために微力ながら頑張りますので宜しくお願い致します。