よこはま乳腺・胃腸クリニック 久保内 光一先生

 この4月から、本ホームページ上で横浜三四会役員が、毎月一人ずつこのコラムを執筆することになりました。
今月は皮切りとして、本会の事務局を担当している「よこはま乳腺・胃腸クリニック」の久保内光一が担当します。

 私は55回生一般消化器外科出身で、川崎市立井田病院勤務が長かったのですが、平成5年医局人事から離れて父の設立した「久保内病院」に入り、後年院長として名称変更して現在に至っております。名称変更にあたっては、『乳腺』を入れることでは横浜市との折衝が不調に終わって最高裁まで闘い、裁判には負けましたがこの闘いが厚生省に標榜に対する姿勢を変えさせ、全国の『乳腺クリニック』や『乳腺外科』の標榜を可能にさせた思い出がありますが、長くなりますので後日お話しする機会があればと考えております。

 クリニックで外来診療をこなすだけでなく、患者さんに東部病院や井田病院に入院してもらって出張で手術を行っていますし、市医師会のマンモグラフィ検診や講習会にも関わっており、還暦を過ぎてなお多忙な毎日ですが、昨夏三四会本部よりお誘いがあって断わり切れず、理事の一員になりました。三四会での役割は「募金担当」と「活性化担当-会員の声」ですが、開始から1年数か月経過しているものの十分な寄付が集まっていない百周年事業募金に腐心しております。先日事務局より皆様に、本会の会費請求のお便りを送らせて頂きましたが、その中に募金に関する一文を添えましたので、是非ご精読頂ければ幸いに存じます。

 皆さんが受けられた教育の現場である校舎や、修業・勤務で使われた病院は、先人・先輩たちの浄財である寄付で造られ改修されたものであり、震災や戦禍で失われたものを再建復興することが出来たと聞いています。老朽化の進んだこのままの施設では他大学に負けてしまいます。次の100年に高い水準の教育・診療を行うためにも、ここで新棟建設が必須であることは自明の理です。先輩たちから受けた恩恵を、後輩たちに返していくのは、我々の義務であると言って過言ではないと考えます。

 4年前に塾150周年記念事業があり、これに対しても募金を行ったためか、出足が低調であるように見受けます。皆様の家庭の事情等、なかなか多額の寄付を一時にできないことも良く理解できます。月1万円ずつ節約して2年でほぼ一口の50万円です。開業直後等の個人的理由や、研修医等の収入が少ない場合は小口でも結構です。そして確定申告により、ほぼ半額が戻ってきます。また医療法人の先生方は、法人で寄付なされば全額損金扱いになるので、節税対策のために不要不急の機器購入をなさるのなら、是非この時期は塾医学部100周年事業への寄付をお願いしたいと思います。

 春の彼岸が過ぎ、卒業・入学のシーズンになりました。会員の皆様におかれては、青雲の志を持って塾医学部に入学されたり、信濃町の慶應病院に勤務されたことを、思い出されることの多い季節だと存じます。この春塾医学部には100回生が入学します。戦争その他のため卒業回数が多くなっている関係で、医学部創立百周年は3年後の平成三十年になりますが、記念事業の新棟建設は順調に進み、信濃町では一期工事が本年六月に竣工予定です。300億円という予算のうち100億円を寄付で賄うのですが、企業や医学部外の塾員からの70億円分は順調であるものの、医学部・三四会関係に割り当てられた30億円分の集まりがいまひとつです。我々が勉強し修業した慶應病院も、震災や戦災による施設の再建を、先輩たちの寄付で復興できています。現在の老朽化した病院を、他大学に負けない施設にすることが重要で、後の百年に向けて後輩たちのために、各々が出来る限りの努力をすることが求められています。

 一口50万円で二口以上の寄付をお願いしたいというのが原則ですが、個々の状況によっては「一括で百万円は無理だ」と、先送りされたり、諦められた方もおられると言われます。上記額以下でも当然受け入れられますし、寄付の総額を決めて分割支払いも可能ですし、出来るときに少額都度支払いも可能です。額にもよりますが、個人ではほぼ半額が確定申告で戻ってきますし、法人からなら私学共済を通じて寄付されれば全額損金扱いになります。医療法人を開設なさっている開業の先生なら、施設の黒字の節税対策として是非ご検討頂きたいと思います。

 我ら横浜三四会は会員数700余名に及び、日本全国で78(内海外2)の三四会支部中最大の会員数であり、約9000人いる三四会員の何と8%であります。単純に計算すると横浜三四会員からは2億4千万円分の寄付になります。近日中には教室・学年・支部ごとの寄付の状況が明らかになる予定で、本会の寄付額も出ますが、是非多くの会員のご協力を頂きたいと考える次第です。

 会費の請求に添えて、多額の寄付のお願いまで致しましたが、横浜三四会員の皆様のご理解を賜れば幸いに存じます。